「どうして、そんなにたくさんのきゅうりを使うことになったかというと……。きゅうりサンドのおいしさって何かな、と考えたときに、きゅうりのカリカリ、コリッとした食感だと思ったわけです。その食感というのは、きゅうりを塩もみして、水気を出すことで生まれる」

「塩もみしたきゅうりをさらしで絞ると、水分がたくさん出ます。もうこれ以上出ない……というぐらいにしっかり絞ることで、カリッ、コリッと歯ごたえの良いきゅうりになる。ここがきゅうりサンドの最大のポイントです。水気をしっかり出しきると、きゅうりはすごくかさが減るんですね。だから2〜3本は軽く使ってしまうことになる」
「きゅうりとパンを密着させるのがバターです。ぜひ、おいしいバターをたっぷり使ってください。私のきゅうりサンドは、きゅうりのほのかな塩気と、バターの塩気だけ。だからおいしい有塩バターがいいわけです」

「朝ごはんやおやつにはもちろん、シャンパンにも合うサンドイッチです。きゅうりがおいしくなるこれからの時期にぜひお試しあれ」

材料（2〜3人分）
きゅうり　6〜9本
塩　適量
有塩バター　適量
サンドイッチ用食パン　6枚

「きゅうりは縦半分に切って、種の部分をスプーンで取り除きます。それから斜めに切る。厚さは1ミリぐらい。これを大ボウルに入れて、塩を大さじ1ぐらいふり、軽く混ぜて少し置きます」

「少し置くと、きゅうりから水が出てきますので、しっかり絞る。ここがかんじん。手で絞ったのでは十分ではありません。さらしで包んで、ギュウッと絞る。そしてまた少し置く。そうするとまた水気が出ていますから、もう一度さらしで絞る。2回は絞る必要があります。これがカリッ、コリッとしたきゅうりの歯ごたえを出すコツです」

「バターは室温に置いて柔らかくしておきます。おいしいバターを少し厚めに塗りたいので、バターを柔らかくしすぎないのもポイント。パンに塗るときに少し抵抗があって、パンの上で波打つぐらいの柔らかさがいいです。サンドイッチ用の食パンを並べて、端までしっかりと均一にバターを塗ります」

「バターを塗ったパン3枚に塩もみしたきゅうりをのせます。真ん中ばかり盛り上がらないように、端の方までていねいに均一にのせてください。先の細い菜箸を使うといいです」

「きゅうりをのせたら、残りのパンをかぶせます。作ったきゅうりサンドを重ねて、ラップでしめるように包みます。しばらくおいてパンときゅうりをなじませます」

「切るときは、よく切れるナイフで静かに切ること。ぎゅーっと力任せに切ると、きゅうりがパンから飛び出てしまいます。細かく言うと、ナイフを引くときに力を入れる。そうするとうまくいきます」